ユーコン川下り 前編

カナダ

久々日本人集合!

6/21 Day1: Teslin River(走航距離:20km強)

 昨日、櫛田さんから、一緒に出発する日本人夫婦は事務所に9時に来るから、それに合わせてくるように言われていたが、荷物の整理がまだ出来ていなかったこともあり、8時に事務所で作業をさせてもらうことになっていた。荷物整理を済ませ、自転車や必要のないものを事務所に置かせてもらうと、櫛田さんの奥様や、一緒に出発する日本人夫婦、今回テスリン川までの送迎を担当してくださる谷角さん(ホワイトホース在住のプロカメラマン)も集まってきた。

左から谷角さん、櫛田さんの奥様、
カヌー参加者の桃さん、太郎さん(2人合わせて桃太郎)

こんなに日本人を見るのは久々だし、話を聞いているとみんな旅人または旅経験が豊富な人ばかり。海外の方々で旅人は腐る程見てきたけど、日本人でもいろんな人がいるものだ。皆様のある意味変態的バックグランドを聞いているとなんだか安心し、それと同時に自分の旅が大したことないように思えてくる。

カヌー・カヤック、その他諸々を車に詰め込み、いざ出発。スタートポイントまでは約1時間の距離だ。道中、ひたすら谷角さんが話をしてくれるのだが、これがまた面白い。実は彼、カメラマンとしてかなり有名な方で、生き様がスゴ過ぎる。

↓谷角さんのオフィシャルサイトとWikipedia。検索すると他にもいろいろ出てくる。

YASUSHI TANIKADO Official / オーロラ 世界の絶景を撮る写真家 谷角靖 オフィシャルサイト
カナダ極地に在住し、オーロラ、世界の絶景、風景、ドローンを駆使した写真と映像を制作するプロ写真家 谷角靖 公式ページ。撮影ツアー、講演などのご依頼はお問い合わせください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/谷角靖

移動中、突然車を止めてUターン。何かと思えば谷角さんが「クマがいたので見に行きますね〜」と言う。そして車の中から動物の写真を撮るコツなどを教えてくれた。

ブラックベアーがすぐそこに。(私が撮影)
自転車移動中は会いませんように。

ようやくポイントに到着し、カヤックの基礎をサクッと教えてもらう。荷物が入りきるか心配だったが意外にあっさり収納でき、少しスペースも余っていた。こんなことならもっとビール買えばよかったと思いながらカヌー組と一緒にいざ川下り開始。

食パンにピーナッツバターで昼食。
結局出発は2時頃になった。
桃太郎夫妻。仕事を辞めて1年間世界旅中なんだとか。

↓桃太郎夫妻の世界一周旅ブログ。

スガ旅
夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

パドルを始めたのが、2時過ぎだったし、始めのエリアは川幅も広く流れが弱いので、今日はとりあえず20km先のキャンプができるエリアを目的地とした。スタートポイントには立派な橋があり、車も川から見えているが、しばらくすると自分以外の人工物は一切なくなり、本当の『静寂』が広がった。無限に続く川と森と空がゆっくりと流れていく。

地図には川の特徴や、キャンプできるエリアが記入されている。
(good campやexcellent campなどクオリティ別にカテゴライズもされている)

今までは下半身運動だったけど、これからは上半身運動。教わった方法で、なるべく腕に疲れが溜まらないようにパドル。天気は良かったが目的地に着く頃には徐々に曇り始めていた。旅の途中で別れるかもしれないが、とりあえず初日は桃太郎夫妻と同じ場所でキャンプすることにした。先に私がスポットを見つけたので岸に上陸。長靴を履いているので、そのまま川岸に足を踏み入れるも、そこがたまたま沼のような泥に覆われていた。「ズポズポッ」とそのまま沈み込み、長靴の中が泥水まみれ。「初っ端からやらかした〜。」でも水はいくらでもある。全部洗い流してサンダルに履き替え、キャンプの準備。

太朗さんは火起こしの達人。通称「火の神」
ここは机もあって調理しやすかった。

今日は初日だから肉(ソーセージ)もあるし、最近はまっているビーフシチューを作成。お隣さんはカヤックでクーラーボックスごと大量の荷物を積めるため、豪華にチキン等を食べていた。そしてトマトとチップを分けてもらう私。いつも貰い物で生きてます。そして桃太郎夫妻がいい人すぎる。せっかくの二人旅を邪魔していないか不安だったが、彼らも私がいてくれて良かったと仲良くしてくれた。一緒に楽しい旅ができそうだ。明日から天気は崩れそうだけど、晴れることを願ってフィンガークロス。それぞれのテントに入っていった。

雨はいつでもアウトドアの敵

6/22 Day2: Teslin River(走航距離:40km弱)

 今朝は雨は降ってないが、この後どうなることやら。朝食にラーメンを食べ、お昼ご飯の準備をする。カヌーは、船の上にそのまま荷物を置くため、川の上でも自由に荷物を取り出せるが、カヤックは、下半身が船体にスポッとはまる形で乗り込む。荷物も前後のハッチに入れるため、川の上では荷物を取り出せない。必要なものだけ、背中のスペースあるいは、足元のスペースに置いておくのだ。桃太郎夫妻とは念の為、今日の目的地を共有しておき、一足先に出発。

カヤックの上で昼食。
積載量と川の上での荷物取り出しができないが、雨は中に入ってこない。

途中で、トイレ休憩した場所が地図上に「Fish Camp」と書かれていたし、うっすら魚の影も見えたので、釣竿を振ってみた。すると一投目でまさかのヒット。「こんなことあるん?」と思いながら釣り上げようとしたが、途中でバラしてしまった。悔しいので釣りを続けようとすると、遠くで雷の音が。「これはいかん」と思い、すぐさまカヤックに乗り込む。通常カヤックの方がカヌーよりもスピードは速いが、釣りもしてたし、まだ慣れていないこともあり、桃太郎夫妻は先に行ってしまっている。同じキャンプ地にお邪魔してもいいかな〜と不安になりながらも、ちゃっかり合流させてもらった(雨の中、1人でキャンプは寂しかったし)。しばらく雨が降っていたので、止むまで木の下に隠れつつ、火をつけて暖をとる。

濡れたものを焚き火の前で乾かす。
火に近づけ過ぎて靴下に穴空いたけど、良く乾きます。

小雨になったタイミングで、一気にテントセッティング。今日も腐る前にソーセージを使用。野菜とブイヨンで洋風に炒め物を作り、ご飯と合わせて食事。太朗さんとビールを飲み、旅の話や世間話を長々した。

お二人は豚肉と野菜とサルサソースで具を作り、
トルティーヤにくるんで食べていた。

6/23 Day3: Teslin River(走航距離:40km弱)

 昨日の雨はすっかり止み、肌寒いながらも最悪のスタートにならずに済みそうだ。今日は櫛田さんや谷角さんが教えてくれた、よく魚が釣れるポイントに向かう日だ。日中はとても暑くなり、昨晩の寒さが嘘のように感じられた。

鳥のさえずりと水の流れる静かな音はまるで子守唄。静かに揺れるカヤックはまさに揺かごで、手を休めるとすぐに寝落ちしてしまう。本当は何かに衝突する恐れがあるから寝るのは良くないのだが、川幅が広く、流れが静かな場所はやはり寝てしまう。

天気も良いし、少し慣れたこともあり、今日は割とすぐに目的地に着いた。別の小さな川が合流するポイントで、ここが良い釣り場らしい。荷物を降ろしてから早速釣りを開始したが、なかなか釣れない。後から桃太郎夫妻も到着。釣りが趣味の太朗さんは『てんから竿』を日本から持参しており、川に毛針を投げ込むとすぐに魚が釣れた。すると私の竿にもヒット!今回は釣り上げることに成功した。

太朗さんの笑顔ね笑
魚はグレイリング(カワヒメマス)

 しかし、またここで雷が鳴り出す。とりあえず雨になる前にテントのセットをすることに。どでかい雷と大雨が降り出す。急に極寒になり、桃さんと私は焚き火の前から離れられない。

全身ビショビショ。。寒過ぎて釣りどころではない。
そして雷怖過ぎ。

しかし、釣り好きの太朗さんはひたすら竿を振る。そしてしばらくすると、なんと大量に釣ってくるではないか!!!私も海では釣りをするため、魚を捌くのは割と得意だ。太朗さんが釣って、私が捌き、桃さんが調理する。このタッグで今日は自らの食材を使用しなくてもご馳走が出来上がった。

三枚下ろしくらいは余裕よ。
枝を削って串作成。
塩焼き、醤油バター煮付け、フライに。。どれも最高!

雨と雷と寒さいつでもアウトドアの敵。それでも最後は我々が勝利するのであった。

6/24 Day4: Teslin River(走航距離:85km強)

 昨夜は雷と雨の影響で、調理開始が夜の11時。就寝するのが夜中の2時頃になっていたため、かなりゆっくり目に起きた。しかし、これまでかなりスローペースで進んでおり、逆算すると今日は少しでも距離を稼いでおきたいところ。地図をチェックし、目標地点を85km先のポイントに設定。カヌー組はカヤックよりもスピードが劣ることから、元々9日間のレンタル期間が設定されているが、私は8日間しかない。そのため、カヌー組はそこまで頑張る必要はなく、彼らとはここでお別れになるだろうと思った。

朝食は大抵ラーメンかオートミールがメイン。

正午に彼らより先に出発。時速にすると7kmくらいだと聞いていたので、到着はかなり遅くなりそうだ。しかしパドルし始めると、この周辺の流れはとても早く、あっという間に前進した。パドルも大分慣れてきて、前よりもよく進む。今日は頑張る日と決めていたので居眠りしないでひたすらパドル。途中、野生の鷲やビーバーも目撃した。(写真は撮れなかった。。。)そうこうしていると、夜の9時くらいには目的地のキャンプスポットに到着。

上陸すると、他のカヌー旅をしている4人のベルギー人たちが既にいた。違うグループがキャンプスポットにいる場合、後から割り込まない方がいいらしいが、次のスポットまではかなり距離がある。長旅であったし、何も考えずに割り込ませてもらった。するとフレンドリーに迎え入れてくれ、茹でたジャガイモをいくつか分けてくれた。今日は1人だし、調味料も余ってるからまたシチューでも作ろうと調理開始。11時頃に食事を取っていると、まさかの桃太郎夫妻がブルブル震えて現れるではないか。私は平気だったが、途中で昨日よりすごい嵐にやられたようだ。荷物下ろしの手伝いをして、火に当たりながら一日の出来事を話し合う。結局この日も2時くらいの就寝になってしまった。でも付いてきてくれてありがとう、という気持ちだった。笑

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