ユーコン川下り 後編

カナダ
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天候回復!

6/25 Day5: Teslin River〜Yukon River(走航距離:50km強)

 目覚めると、ベルギーチームは既に出発の準備を進めている。桃太郎夫妻はまだテントの中のようだ。ベルギーの方々と話していると桃さんが起きてきた。太朗さんは朝弱いんだよね笑 ベルギーチームに別れを告げ、3人でゆっくり朝食タイム。

意外に3人で写真撮ってなかったことに気づき、みんなで撮影。
真ん中ありがとうございます。

 早く出発しようとするけど、結局12時出発。なんだかんだゆっくりになってしまうのよね。今日は天気が良い。とても気持ちがよく、出発すると同時にウイスキーを結構飲んでしまう。酔いも回ってまたしても爆睡し、先に出発したのにすぐに桃太郎夫妻に抜かされる。彼らが寝ている様子を撮影するシャッター音で目覚める。周りが静かすぎて離れたところからでもシャッター音が聞こえるのだ。(すぐまた寝るのだが。。。)2時間程ほぼほぼ流されている状態であった。

天気が気持ちよくてご機嫌な私。
ウイスキーと撮影。

 10kmほど進むとようやくユーコン川との合流地点まで来た。これまで少し濁り気味の川であったが、合流するところはエメラルドグリーンになっており、なんだか神秘的だった。酔いも覚めたところで一気に挽回しようと、カヌー組を追い越す。途中少しだけ雨に降られたが、これまでの雨に比べったらまったく問題なし。目的地に着く時も良い天気であった。しかもキャンプグランドも丸太の椅子等があり、かなり調子が良い。カヌー組も後から「今日も来ちゃった」と笑顔で合流。

久々に天気も良かったので、4日ぶりに沐浴タイム。私はいつもの感じで全裸でユーコン川に飛び込んだ。それを見ていたご夫妻も最初は抵抗がありそうだったが、川にダイブしていた(全裸ではないが笑)

太朗さんの沐浴姿。
ユーコンと太陽と影がいい感じ。

 旅の半分以上が終了し、節約していた食材にも少し余裕がでてきた。「今日は何を食べましょうか」と話すと、彼らは私が作っていたシチューが美味そうだと言う。こちらからすると、彼らが食べてる物の方がずっと美味しそうに見えるのだが、、、でもそう言ってくれるのであれば、夕食を振る舞おうではないか。少し肉やポテト等を分けてもらい、クッキング開始。桃さんはベーコンアスパラを作ってくれた。ユーコン川で人に食事を振る舞うなんて思ってもみなかったが、美味いと言ってもらえたので嬉しかった。

マッシュポテトとビーフシチュー
そして米を大量に炊いた。
今、米炊くのめっちゃ得意です。笑
体もスッキリしたし、ようやく気持ち良い
キャンプができてみんな大満足。

 この2日かなり、遅めの就寝だったので、今日は少し早めに退散。一緒に居ると延々に話してしまうからね。

6/26 Day6: Yukon River(走航距離:55km)

 後半は比較的天気に恵まれている。気持ちよく目覚め、「今日こそは別々になるかもね」なんて話しながら、朝の支度を済ませ、いつも通り私が先に出発する。今日のポイントは小さい小川が2つ流れ込んでくる辺り。釣りがしたいと言う理由でこのポイントを目標に設定した。それにしても本当にユーコン川ってのは静かなものだ。『この後すぐに東京に戻ろうものなら、そのまま難聴になってしまうのではないか』なんて思った。

いつもの調子で漕ぐこと約6時間。目的地に着くと、ここもなかなか良さげなキャンプスポット。探検していると、近くの川は枯渇しており、今はカラカラの状態であった。

釣りをする私 by 桃さん撮影

残念ではあるが、とりあえず釣りの準備をして毛針を投げ入れてみる。ご夫妻も結局いつもの調子で合流し、太朗さんと2人で釣りをする。

が、しかし何も釣れない。

今日のキャンプスポットはこんな感じ。
乾いた木もここには沢山あり、焚き火も簡単にできる。
旅の後半になるにつれて食事が豪華になっている気がする。
そして私、自分で言うのもなんだけど、絶対料理のセンスあるよね?笑

となると、残りの楽しみは、調理→夕飯だ。桃太郎夫妻はパスタ。私は肉ジャガ風のおかずと安定の白米を作る。(ちなみに毎回食材を少し分けてもらっており、今回はベーコンを頂いた。)

みんなでそれぞれのご飯をついばみ、ビールと、太朗さんが持ってきた箱のワインを飲み、焚き火の前で永遠と語る。この時間が本当に楽しくて仕方なかった。

地図を見ながら酒を飲む男2人。
桃さんは酒の代わりにコーラ笑

6/27 Day7: Yukon River(走航距離:55km)

 早朝3時頃、テントの外でカサカサと音がする。『もしや熊か』と思ったが、それは小さな小さなネズミが走る音であった。もう一度目を閉じると、今度は5時頃に大きな掛け声が聞こえてくる。しかも次々にずっと聞こえるではないか。『なんだろ?』と思って川の方に出てみると、カヌー、カヤック、スタンドアップパドルをする人たちが次々に通り過ぎて行く。しかもみんな背番号をつけているではないか。どうやら、ユーコン川下りの大会が開催されているようであった。こんな時間に来るなんて、いつからどこから始めてるんだろうか。この辺りは川へのアクセス路は全然ないはずなのだが、、

さよならを告げる

桃さんもこのかけ声でテントの外に出てきた。せかせかとパドルする選手を横目に我々はいつも通りまったり。私は明日がカヤックレンタルの最終日で、ヒッチハイクして帰らないといけないので、今日中にゴール付近に到着しておきたい。「今日こそは最後だね」と別れを告げた。最後の旅を静かに楽しもうとしていたが、次から次へとレース参加の選手たちがかけ声と共に私を追い越していく。一瞬ついていこうと思ったけど、非常に疲れるのですぐに諦め、私のペースでカヤックを楽しむ。

後半、遠くの方で電線が見えた。久々に現代のものを見た気がする。また、「ゴーーーーー」と言う音が聞こえてくる。飛行機が飛んできたのかと思ったが、それは遠くを走る車の音だった。周りが静かだと、こんなに違った音に聞こえるのか。

永遠に山と森と川が続く

目的地に着くと、レースの選手が通らないタイミングを見計らって又しても沐浴。そして、ドローンで川を撮影してみた。

カヤックとテント以外の人工物は一切見えない

 太朗さん直伝の火おこしもなかなか上達し、1人でキャンプの準備と釣りをしていると、レースのカヌーに混じって、見覚えのあるカヌーが一艘近づいてきた。「来てしまったよ」と少し申し訳なさそうに桃太郎夫妻が現れた。「最後は1人で楽しみたいだろうと思ってたけど、途中キャンプサイトが見つからなくて。。」と謝ってきたが、個人的には大歓迎だった。話も合うし、なんだか彼らのことが大好きになっていたのだ。そして夕食を作り出す。私は食材も無くなってきていたし、ちょっと妥協して、野菜スープとドライフード(お湯を入れるとラザニアができるパック)。彼らは昨日と同様にパスタ。

ドライフードのラザニアは袋にお湯を注ぐだけで出来上がるが、
見栄えが良くなかったので写真からは除外。

明日は最終日。なんか寂しいな。。。

6/28 Day8: Yukon River〜Coal Mine Campground(走航距離:20km)

 今日は本当に最後の日。もうこのエリアは車の音も届く位置だし、あの静寂はないが、それでも、最後まで楽しもうとゆっくりスタート。距離は 20kmのみのためあっという間に終わってしまう。それでも旅を思い返し、最大限に楽しんだ。

朝は2人も見送ってくれた。
彼らはもう一日あるからこの周辺にステイするみたいだ。

 ゴール付近の有料のきちんとしたキャンプグランド付近には『カヌー置き場はここだよ』って書かれた看板が。カヤックを岸につけ、荷物を取り出す。自力でカヤックを担いで、乗り捨て場に移動させた。達成感と共に『終わってしまった』と名残惜しい感情も少しあった。

カヌー 、カヤック置き場。

キャンプグランドには沢山の車が止まっており、売店もある。お店でアイスクリームを購入し、川を眺めていると、またしても見覚えのある姿が遠くに見えてきた。「食べ物も無くなっちゃったし、今日はここの有料のキャンプグランドに泊まることにした」と笑顔で桃太郎夫妻がやってきた。結局最初から最後までずーっと一緒だった笑

キャンプグランドから街中のスーパーまで徒歩40分の移動。
荷物運びを手伝ってくれ、明日ホワイトホースで会う約束をして彼らは去っていった。

 そしてスーパー前でヒッチハイクをすること1時間。ファンキーなお兄ちゃんが声をかけてくれた。名前はトラビス、年齢は36歳。ドーソンシティ在住で、仕事の関係でホワイトホースの方に向かうところを拾ってくれた。車はボロボロだが、走り屋的なことを若い頃はしていたらしく、あっという間にホワイトホースに到着。

タイヤが壊れて、一つだけスパイクタイヤ履かせていた。
ボロボロなのに飛ばすから少し心配だったが無事到着。

オフィスに着くと、櫛田さんに預かってもらっていた自転車やバッグをピックアップ。明日、桃太郎夫妻が帰ってきたら、みんなで食事することになった。

ホステルに戻って、自転車のメンテナンスをした後、8日ぶりのシャワーを浴びる。全身の汚れが洗い流され、とんでもなくさっぱりした。沐浴もいいけど、シャワーが一番。(欲を言うと湯船にもつかりたいけど)本当に良い経験をした。ずっとユーコン川を思い返しながらベッドに横になった。

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