私はネイティブ・アメリカン?

カナダ

愉快なカナダ人たち

6/18 Burwash Landing〜Champagne Landing(走行距離:0km)

 目が覚めると天井にライトが見える。昨夜は久々に『家』の中で寝たのだ。リビングに出ると仕事でユーコン準州内を点々としているシャノンがソファで寝ていた。彼女は見た目は白人だが、母親がネイティブ・アメリカンで、父親が白人。ネイティブ・アメリカンコミュニティのつながりで、この家の家主、シャロンの家に泊まらせてもらっているようだ。しばらくするとシャロンもシャノンも目覚め、「シャワー浴びていいよ」と言ってくれたので、いつもの『沐浴』ではなく、久々にきちんとしたシャワーを浴びた。スッキリすると、シャノンが「今日は車でホワイトホース方面に向かうから一緒に乗ってきなさい」と言ってきた。自転車で走破したい気持ちがあったので少し迷ったが、足がパンパンすぎて自転車を漕げる気がしない。せっかくだし、少しの距離ならいいかと思い、自転車を車に乗せて出発した。

泊まった部屋。ベッド横の机には
ネイティブ・アメリカン伝統の雑貨作成中パーツが。

シャノンはネイティブ・アメリカンの文化を残すための仕事をしており、オフィスをホワイトホースに構えつつ、いろいろな地域に足を運んでいる。その為道中、伝統文化についていろんなことを教えてくれた。隣町のヘインズ・ジャンクション(Hains Junction)でランチ休憩。立派な文化センター内も案内してくれた。この先は別れて、自転車でホワイトホースに向かうつもりだったが、彼女はまた当たり前のように「乗りなさい」と言ってきた。「あれ?」と思いながら乗り込むと、今日は彼女の両親の家があるシャンパン・ランディング(Champagne Landing)に行くらしい。ちょうどヘインズ ・ジャンクションとホワイトホースの中間地点だ。

こんなに車に乗るつもりはなかったのだが、、、と内心思いながら車に乗り込む。そしてシャノンが「旅人でイカした友達が実家に行くんだけど、泊まらせてもいい?」と両親に電話し始めた。「え?」と思ったけどすぐに許可がおり、そのまま彼女の家に行くことに。(まあ、私も予定という予定はないし笑)

家に着くと、お母さんのグレースと、お母さんの再婚相手のヘンリーが待っていた。ヘンリーは香港人で若い頃にカナダに移り住み、ドーソンシティという違う街でシェフとして働いる。その為、家にあるものでサクッとご飯を作ってくれて、ビールと一緒にご馳走してくれた。

ドーソンシティは北にある街で、ゴールドラッシュで栄えた街だ。
炭鉱する人々向けに料理を作っていたんだとか。

このシャンパン・ランディングという街は、メインストリートからは少し離れており、自転車では通らない場所にある。(街といってもネットも届かぬ民家しかない小さなコミュニティだが)昔からのネイティブ・アメリカンの街らしい。シャノンに出会わなければ絶対に行かなかった場所というわけだ。

みんなで近くの川に釣りに行ったり、綺麗な景色を眺めたりした。

自転車にこだわるのも悪くないけど、やっぱり旅はこうでなくちゃ、と自分の判断が正しかったことを正当化させるのであった。

6/19 Champagne Landing〜Whitehorse(走行距離:0km)

 翌朝、7時くらいに起床し、リビングにいるとグレースもすぐに起きてきた。コーヒーを一緒に飲んでハンティングして作ったリンクス(大型のネコ科の動物)の毛皮を見せてもらったりしていると、急に電話が鳴った。

「こんな時間に誰かしら」と電話に出ると、それはシャノンの娘からの電話だった。シャノンは43歳のシングルマザーで2人の娘がおり、2人の娘には既に1人ずつ子供もいる。ネイティブ・アメリカンの人たちは結婚する年齢が随分と若いらしく、兄弟や家族も大勢いる。シャノンは14歳の時に1人目の娘を産んだらしい。

左からシャノン、ヘンリー、グレース
とてもいい家族だった。

そしてその電話はまさかの新しい孫の誕生を告げる電話だった。この電話に家族みんな大騒ぎ。「ホワイトホースに行こう!」と突然準備を始める。驚きつつも、迷惑になるから別行動しようと思ったが、当然のように病院に一緒に連れてかれた。病室に入るのは流石に遠慮したが、終始みんなハッピーな表情だったので、なんだかとても嬉しかった。そして病院の後は、シャノンとシャノンのもう1人の娘と3人で、寿司を食べに日本食料理屋へ。

↑私も寿司をオーダー。
更にカツ丼も食べてしまう。
久々の日本食にただただ感動する私だった。

 それからはシャノンや娘の友達達と合流し、知り合いのアパートで飲み会、バーに行って飲み会。どんちゃん騒ぎであった。かなり飲んだこともあり私は途中、車の中で爆睡するも、結局朝の4時頃まで飲み、事前にとっていたホステルに戻った。

グループに混ぜてもらい飲み飲み飲み。
 いつまでたっても明るいから終わりが見えない。
ホワイトホースのバー
ステージに上がってみんな歌って踊って騒いでいた。

 友達作るのは昔から得意だけど、こんなに急な出会いにも関わらず、ここまで仲良くしてくれるなんてユーコンの人たちはフレンドリーなんだなと思ったが、同時にあることを思い出した。アラスカ、カナダに入ってから、何人かに「お前はネイティブ・アメリカンか?」と聞かれたことがあったのだ。日焼けして黒いし、割と濃い顔だし、もしかしてこの見た目のおかげで仲良くできたのか?なんてことを考えながらベッドに横になるのだった。

カナダに入ってちゃんとした店を初めて見る

6/20 Whitehorse内(走行距離:4.27km)

 昨夜は遅かったが、洗濯や買い出しなどやることがたくさんあったので、頑張って9時頃には起きた。ホワイトホースは私の地元に比べたらもちろん小さい街だが、チャリダーとしては立派なでかい街。昨日、日中にシャノンからある程度は市内の案内を受けていたので、なんとなく道はわかっていたが、自転車で再度散策。そして自転車屋やスポーツショップ、スーパーなどに行って買い出しをする。

Walmartもあるし、Real Canadian Superstore という立派なスーパーも。
自転車のパニアバッグのパーツが壊れていたので、自転車屋へ。
割と大きなショップだったが、お目当てのものはなかった。

また、ユーコンに来たらユーコン川をカヌーで下りたいと思っていたので、数あるカヌーショップに聞き込み調査。とある旅人ブログで、ホワイトホースに日本人がオーナーのカヌーレンタルショップがあることも知っていたので、最後にそこを訪ねてみた。

店の近くには、日本語の看板も。

すると突然の訪問ではあったが、オーナーの櫛田さんは快く迎え入れてくれた。気さくな方で、久々の日本語で世間話なんかをしているとあっという間に1時間過ぎてしまった。肝心のカヌーの話をすると、初めてで1人のカヌーは少しリスキーだからと、カヤックを勧めてくれた。カヤックは1人でも乗れるし、割と操作も簡単だし、これなら明日出発してもいいとのこと。

こちらが事務所

しかも明日は別の日本人夫婦がカヌーで川下りを開始するらしい。これはもう行くしかないと思い、即決定。テスリン川からスタートしてユーコン川に合流、最後はカーマックス(Carmacks)という街に着くコースで、全部で370km、8日間のプランである。そうとなれば明日からの食料や釣り道具など準備をせねばと思い、急いで買い出しを始めた。夜8時近くにようやく準備が整い、櫛田さんの事務所に道具を置かせてもらい、スタンバイ。

↓櫛田さんのカヌーレンタルショップ『KLONDIKE CANOEINGRENTALS』

ユーコン川でのカヌーツアー・カヌーレンタル案内/クロンダイク・ カヌーイング・ レンタルス
クロンダイクカヌーでは、ユーコン川でのカヌーレンタル、カヌーツアーをご案内しています。皆さんの夢をお手伝いできたらと考えています。

ワクワクしながらホステルに帰っていった。

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