大都会を背に、山にLet’s Go

カナダ

大都会からだだっ広い野原へ。

7/23 Edmonton~Pembina River Provincial Park Campground(走行距離:115.3km)

 2泊3日したこの大都会とも今日でお別れ。居心地の良いホステルのキッチンで朝食を済ませて、預けていた自転車に荷物をつけていく。だが、仕度が済んでロビーのソファーに腰掛けるとそこから動けなくなってしまった。重たい腰を上げてようやく動き出したのが10時。白夜だから、遅くなっても平気といつも甘えているのだが、実際のところ大分南下したこともあり日の入りもかなり早くなってきていた。

居心地の良いロビー

 出発したはいいが、町が大きくて道に迷う。田舎道は一本道で迷うことないのになぁ。なんとか町の外へ向かうと段々と高いビルが無くなっていった。

町の外に出ると大きなハイウェアが長々続く。

 今日は晴天だし、アルバータ州は基本的に平だから、スイスイと進む。途中お昼休みをしようと思い、ピクニックテーブル求め、適当なキャンプグランドを探していた。すぐに州立キャンプ場が見つかり、いざそこに向かうと、、、

な、なんなんだ?巨大な駐車場に、びっしり車が止まり、キャンプ場横の湖は人工のビーチで人が溢れかえっていた。

アルバータ州の州立公園に入るのは初。
ワクワクして入ったら、湘南のビーチのような混み方。

 これまでの山生活では州立公園でこんなことはありえなかったのだが、とにかく人の多さにビックリした。誰もいない端っこの方のピクニックテーブルを見つけて、サンドイッチを作るが、騒がしいし、早々に済ませてその場を去った。アルバータ州はサイクリングするには平らな道だからこれまでに比べると楽なんだが、景色も微妙だし、州立公園もあの様だし。。ちょっと惜しい。。

途中で、お肉(牛)たちが群れていた。牧場が多い。

 目的地のエントウィッスルという街に着き、明日の天気予報や、泊まれる場所のリサーチ。どうやら今晩から嵐になるらしく、単純な野宿も考えていたが、キャンプグランドに入るとこにした。個人的にはキッチンシェルターのような、屋根のある場所にテントを張るつもりでキャンプグランドを選択したのだが、受付に行くと交渉の余地なくキャンプサイトの番号まで指定されてしまった。しぶしぶテントを設置し食事をしてると、案の定『ゴロゴロゴロー』と音が鳴り始めた。

通常とおりに外のキャンプ

雨は降ってないが、早々にテントの中に退散!

7/24 Pembina River Provincial Park Campground ~Edson Lions Park Campground  (走行距離:102.2km)

 雷と大量にテントに打ち付ける雨の音で目が覚める。今日は朝から大嵐。テントから出る気もしない。ここにもう一泊するか迷ったが、自分を奮い立たせ、雨が弱くなったタイミングでテントを急いでしまう。しかし、テントはビショビショのドロドロ。『はぁ』と溜息をつきながら出発。朝食を作る余裕もなかったので、近くのSubwayで朝食。

スープが冷えた体に染みる。こういう時に近くに店があると助かる。
芝の塊がゴロゴロ。平らな大地がひたすら続く。

 にしても雨も辛いが、今日は向かい風もキツイ。体も冷えるし、なかなか進まない。手足の感覚も寒さで徐々に麻痺してきていた。やっとの事で休憩スペースに着くが、トイレの屋根しかないので、お昼はトイレの軒下で食べる。

代わる代わるトイレに入る人に挨拶しながら食パンを食べる。気まづい。。

 トイレに入ると、ユーコン州のトイレと違い、電気がつくではないか。中はとても暖かい。暖をとろうと便座に座るとウトウトしてしまった。しかし途中何度か他の人がドアを開けようとする音で目覚める。仕方なしにトイレを出るも、何度ドアに”Out of order(故障中)” と張り紙して、ここに泊まろうかと考えたことか。それほど寒くて辛かった。

ボットン便所だけど、赤ちゃん用のシートがテーブルになるし、中は暖かい。
臭うは臭うけど、十分泊まれる。

 頑張ってあと50km進まねば。また自分を奮い立たせ出発するが、トラックが真横を通るたびに水しぶきを全身に浴びる。その度に私は、好きな芸人の出川を真似て「お前はバカか?」とトラックに対して言うのだが、よくよく考えると『こんな嵐の中で自転車漕いでる自分の方がバカなのか?』と少し思ったり。。

自転車タイヤからの跳ね返りと、車からの水しぶきと雨でもう何が何だか。

 ようやく、目的地の”Edson”の看板が見えた時は感動した。着くなりカフェに入り、ホットチョコレートで温まる。近くのキャンプグランドに行き、事情を話して、建物の軒下にテントを立たせてもらった。乾燥機でずぶ濡れのテントを乾かし、シャワーも浴びて本当に助かった。

優しいオーナー夫妻に助けられました。

いよいよ国立公園エリアへ!

7/25 Edson Lions Park Campground〜Hinton (走行距離:94.4km)

 目覚めると、昨日降っていた雨はすっかり止み、青い空が見えていた。昨日キャンプグランドのオーナーは、「今年は寒いし、雨がずっと続いてて変な天気だ」と言っていたので、今日晴れてくれたのは本当に良かった。

キャンプグランドにある左の建物の軒下にキャンプさせてもらっていた。
シャワーも無料で使えて素晴らしい。

朝飯にオートミールを三食分食べたが、ティムホートンに寄り道。コーヒーの無料クーポン券を別の旅人からもらっていたので、ドーナッツと一緒に食べる。

カナダと言ったらティムホートン!

10時になってようやくサイクリングスタートしたが、話に聞いていた通りこの辺りは西風が強い(もろに向かい風) 。しかも嵐の後だからか、余計に強い。幸い道は平らであるが、それでも力強く漕がなくてはならなかった。とはいえ、ユーコンやブリティッシュコロンビアの山の中で鍛えられたこともあり、ハイウェイ内で一番標高の高い地点も意外に簡単に登れた。

1152.3mなんて余裕だぜ。(傾斜にもよるけど)

 残り30kmほど進むと”Hinton”の文字が見えてきた。ジャスパー国立公園手前の街だ。この街でもWarm Showersでホームステイできる家を確保していた。

Warm Showersとはサイクリスト向けのサイト。別記事参

https://samuraieddy.com/アラス蚊#toc3

↓Warm Showersのサイト

Warmshowers - a Global Community of Touring Cyclists
Join Warmshowers, a global community of cycle tourists. Tour. Host. Support.
山の形した看板。さすがジャスパーへの入り口の街。

Warm Showers宅に向かうと、家には誰もいなかったが、ドアにメモ書きが残され、中に入っても良い旨記載されていた。

ドアに残されたメモ書き。
家には猫がおり、夕食作ろうとすると戯れて甘えてくる。
夕飯作らせてくれ。

 リラックスしていると、ホストのブルースと娘のスカイが2頭の馬と2匹の犬を連れて帰ってきた。動物まみれで、動物好きな私としては癒され、なんだかとても嬉しかった。(犬も猫もやたら戯れたがってスリスリしてきた)ブルースは、いかにもアウトドア大好き人間といった方で、楽しくお話しできた。夜も遅かったので、しばらく会話した後、ベッドインした。

地下のロッククライミングできる場所にソファがあり、そこで今日は寝させてもらった。

7/26 Hinton〜Jasper Wapiti Campground (走行距離:81.4km)

  いよいよジャスパー国立公園に入る日がやってきた。家の人は誰も起きていないが、2匹の飼い猫がやたら戯れてくる。とりあえず、朝食を済ませ、いつでも出発できるようにして、ブルースが起きてくるのを待っていた。しかしなかなか起きてこないので、ドアをノックすると、「朝食食べる?」とドアの向こうから聞かれたので、貰えるものは貰ってしまう私は思わず、「うん」と答える。しばらく待ち、フレンチトーストとベーコンを作ってくれた。2回目の朝食を済ませ、出発するも、結局家を出るのが10時過ぎになってしまった。

ホストしてくれたブルースと彼の彼女。

 今日も西からの向かい風がなかなか強いが、思いのほか坂道が少なく予想より速く進むことができた。昨日ブルースが言っていたが、いつもなら、ほぼ100%の確率で西風が吹いているが、今年はたまに東風(追い風)が吹くらしい。一昨日のキャンプグランドスタッフの雨の話といい、東風と言い、これも温暖化等の影響で、天気が変わっているのであろうか。そんなことを考えながら、サイクリングしていると、徐々に平坦な何もない景色から山の景色に変わっていった。その光景になんだかワクワクが止まらなかった。

だんだん山の景色が近づいてきて、野生動物の糞も道にチラホラ。

 ジャスパーに近づくと、国立公園入り口で車はエントランスフィーを支払っていた。自転車も同様に払わないといけないのかと思い、列に並ぶも、自分の番が来ると「そのまま通って」と言われた。

国立公園内を観光する車は皆エントランス料金を支払う。
山に挟まれた道には、それぞれの山の名前と標高が路肩に記載されている。

   国立公園に入ると、一気に道路の質が改善され、且つ短い間隔でトイレやゴミ捨て場が道の横に完備されている。しかも路肩の幅も広いため、サイクリストとしてはとても走りやすい。

今日はこちらの素敵な景色はバックにランチ。

 ジャスパーの街に着くと、自然に囲まれているのに街中はやたらと綺麗に設備が整っていた。しかし一方で、人気の観光地であることから宿泊施設を抑えるのが難しいことも聞いていた。明日は一日雨の予報であるし、4日間サイクリングしてきていたため、明日はDay Offにすることにし、まずはホステルに空きがあるか確認を取りに行った。するとたまたまキャンセルが出たらしく、明日の予約がうまくできた。

 さて次は、今日寝る場所を確保する必要がある。この国立公園内では野宿は全面的に禁止されており、キャンプする場合は、キャンプグランドに泊まらないと罰金を取られてしまう。明日の朝までは天気が安定している予報であったため、街から一番近くのキャンプグランドに向かうことに。

 すると空きも十分にあるではないか(キャンプグランドも予約制の場所があり、夏のシーズンはいつも混み合っている)。更にキャンプグランドスタッフが「1人でキャンプしている人が、キャンプサイトをシェアしたがってるけど、どう?」と聞いてきた。料金を彼と折半できるし、私はすかさず「Yes」と答えた。

 指定されたキャンプサイトに向かうと、1人のアジア系の男の子がベンチに座っていた。彼の名前はDavid。まだ20歳の学生で、1人でカナダ国内をバックパックしているようだ。中国人の両親を持つが、生まれも育ちもカナダで、モントリオール(Montreal)というフランス語圏の出身であるため、英語・フランス語・中国語を話すことができる。そんな彼とキャンプファイアーをして、楽しいキャンプをするのであった。

左から私、David、そしてカリフォルニアから
サイクリングをしにきた2人の男性とキャンプサイトで撮影。

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