Anchorageに舞い戻る
5/25-5/26 Anchorage生活
スーワードから戻り、またしてもアンカレッジへ。すっかりホステルのスタッフとも仲良くなり、なんだかアンカレッジで過ごす日々が居心地よくなっている。これではいつまで経ってもこの街を離れられない。食料の調達をして明日には出発しようと決断するも、外に出てみると雨。もしやと思い、明日の天気を確認すると明日も雨。しかもかなりの雨。うーん、旅の初日は特別な日だし、いい天気になるまで、もう少しゆっくりするか、とついつい延泊の申し込みをするのであった。
そして案の定、次の日も朝から雨ザアザアだった。延泊にしておいて良かったと心底思いながら、ブログのセットアップをし、ゆっくりしていると、ホステルの新人クルーが、「日本人来たぞ。しかもお前と同じ、自転車乗り。」と言うので、彼のいる部屋を覗きに行った。すると、想像していたよりも年齢的に大先輩そうな男性がベッドの前に立っていた。日本語で声かけると、「え?」と驚き振り向いた。名前は高島 実(タカシマ ミノル)さん。話を聞いているとなんと会社を定年退職した次の日から自転車で世界を旅しているのだとか。これまでに旅した場所は、ユーラシア大陸、ヨーロッパ、南米、アフリカ。。。。。。年齢だけでなくチャリダーとしても大先輩ではないか。(チャリダーとはいわゆる旅する自転車乗りのこと)ブログもかなり長いことやっているようで、にほんブログ村でもランクインされているほど。なかなか普段の生活ではこんな方に会えないけど、旅してるといろんな出会いもあるものだな、とつくづく感じながら、話を続けた。
自転車には昔から乗ってきていたのかと思ったが、そうではなく、別のチャリダーブログを読み、それがきっかけで退職してから本格的に始めたらしい。自分の親の方が若いが絶対にこんなことあの両親にはできないな、と心の中で思う。。。
また、お孫さんも今はいらっしゃるようで、孫の話になると優しい顔が更に優しくなり、嬉しそうに家族の話をするのであった。聞いていてとても心が温まる一方、自分はこんな長旅に出てるが結婚して子供作って、この先食ってけるのだろうか、という不安がよぎった。そして同時に高島さんのことが羨ましくなるのであった。しかし、高島さんは「一つ言えることは、なんでもやろうと思えば、なんとかなるもんだよ。人は何でも行動を起こさないと成長しないしね。」この言葉を聞いた途端、今はやりたかった旅をスタートさせている訳で、先のことは考えずに今を全力で楽しもうと深く思うのであった。
高島さんのブログ↓↓
いよいよ最後のAnchorage
5/27 Anchorage出発
Anchorage〜Wasilla (走行距離:84.29km)
次の日は、天気がすっかり晴れた。良いスタートになりそうである。友人の紹介で良くしてもらったアラスカ在住のオーストラリア人Scottyとその家族も見送りに来てくれた。仲良くなったホステルスタッフたちに別れを告げ、ホステルオーナーのオレイと高島さんに見送られながら、ゆっくりとスタートした。
ステイしたホステル情報↓↓
オーナー・スタッフがとても親切でアラスカ内でも料金も良心的。とても過ごしやすいです。
Base Camp Anchorage Hostel
今日の目的地はWasilla(ワシラ)という街を超えたところ。距離も短いし、天気も良いからあっという間に着いた。ハイウェイからそんなに離れていないところに人気のない空き地があったので本日はこちらでキャンプ。ムースの糞がいたるところにあったが気にせずここにステイ。
5/28 いざTalkeetna(トルキートナ)へ
Wasilla〜Talkeetna (走行距離:106.19km)
今日はヒッチハイクでお世話になったマークに会いに、彼の住む街、トルキートナへ。天気も良い。いつも通り、最初はルンルンでサイクリングをするのだが、飽き性な私。しばらくするとただただ一本に伸びる道に少し飽きてくる。でもよーく景色を見ているといろんなものが見えてくるものだ。遠くにある山、高い木から枯れた朽ちた木、リスや鳥などの動物。。。同じ森でも自転車旅ならではの「ゆっくりと景色を眺める」ことを楽しみに変えてひたすら進む。
すると分かれ道に出た。左に進めばデナリ国立公園。右に進めばトルキートナ。ちょうど分かれ目にガソリンスタンドがあったので、そこで乾いた喉にコーラを一気に流し込み、右方向に進んだ。25kmほど進むと街らしきものが見えてきた。中心部に入る手前にキャンピングカー専用のキャンプサイトがあり、事前にマークにそこに来るように連絡を受けていたので、そこへ向かった。
しばらく待つと、マークが現れた。感動の再会。「よく来たな。こっちに来い」というなり、オフィスの2階を自由に使えと部屋を貸してくれた。ここはまだ彼がトルキートナに来たばかりの頃、古い古屋が建っていた場所らしく、当時はここにしばらく住んでいたらしい。(今は建物も建て直し、綺麗になっているが)荷物を一通り部屋に入れると、「後ろに乗れ」と言われバギーにまたがった。そして街中に行き、早速ビールを共にのみ、その後街の中や、彼の経営するジップラインの拠点や家を見せてもらった。オフロードの道も家も全部マークが森から開拓して作ったんだとか。街中もマークが建てた建物たくさんあるし、マークはこの街の長のような存在だ。
一通り、街中を見せてもらったところで、ステイ先まで送ってもらうと、「明日は俺はゴルフに行くが、お前はジップラインに参加しろ。」と言った。通常150ドルするツアーなのを知っていたから断ろうかと思ったが、タダで参加させてくれるとのこと。アラスカはホテルでもなんでも夏にしかメインでビジネスができないから、何かとお金がかかるのだが、宿代から、ツアーまで無料で参加させていただき、ありがたいと思うと同時に、なんだか申し訳なくなりながら、今日は就寝した。
Talkeetnaでの生活
5/29 Talkeetna day2
ZIP LINEへの参加
ベッドにシャワーにキッチンに。本当にこれがあるだけでどれだけありがたいことか。ふだんの生活がいかに恵まれているかを再認識しつつ、朝ゆっくりと身支度を整える。昨日言われていたジップラインのオフィスに10時に向かった。今回のツアーは私含めて全部で9人。オフィスからヴァンでジップラインコースに移動し、ハーネス等を装着。一通りの講習を受けていざ、木の上へ。森の中にはワイヤーが張り巡らされており、これを伝ってターザンのように移動していくのだ。一度コスタリカで経験したことがあったが、改めて行うと、やっぱり面白い。綺麗だし空気も気持ちよかった。最高に楽しむことができた。
Denali Zip Line情報↓↓
午後は、自転車で街を見学。トルキートナはデナリ山(マッキンリー山)へ行く登山家たちも多くおり、あの有名な植村直己さんもここに来ていたらしい。そして街にある博物館や歴史的登山家達が眠る墓地にも植村直己さんの名前は刻まれていることを聞いていたため、立ち寄ることにした。
植村さんの本も読んでいたし、成し遂げた数々の大業も知っていたが、ここに来て、改めてすごいことを成し遂げた人なんだと感じた。同時に日本人としてとても誇りに思ったし、私も同じ日本人として、世界に恥じぬよう旅したい。
Markの自宅へ
街見学も終え、ゆっくりしているとマークから連絡が入った。「ゴルフ終わったからそっち行くわ。」そして彼に会うなり、「うち行くぞ」と。夕飯に招待してくれた。少しクッキングを手伝い、家族で夕食。冷凍庫にはサーモンやムース、カリブーの肉が保存してあり、アラスカの民家を見る貴重な体験ができた。奥様と二人の娘さんもフレンドリーで、とても優しい。最高なディナーであった。
更に、食後は新たな仕事仲間を迎えるレクリエーションがあるからと、別の場所に移動をすることに。ちなみにアラスカは夏季が主なビジネス期間であり、夏の間だけアルバイトなど働き手を募集し、期間限定で働いてもらうことがしょっちゅうあるらい。今回は今期のメンバーと親睦を深める一つのイベントのようだ。とにかく、車に乗って向かうと、そこは犬ぞり用の犬が飼育されている場所であった。食べ物なども用意されており、挨拶していると、車輪をつけた犬ぞりに見立てた装置が登場。犬にこれを引っ張ってもらって犬ぞりを体験するアクティビティがこれから行われるのであった。本来ならこれもきっと高くつくツアーなんだろうなと内心思いながら、犬と触れ合い、貴重な体験をありがたくさせていただくのであった。
5/30 Talkeetna day3
本当はこの後、しばらく天候が崩れる予定であったため、まだ晴れている今日の早朝には出発したかったのだが、なんだかこの街が好きになっている自分がいた。もうちょっと街を見たいし、ブログも書かなくてはならない。この先しばらく雨と熊との戦いになるから、出来事を忘れる前に記事を書かねばと、マークにもう1泊延泊を頼むと快くOKしてくれた。ということで本日は朝からパソコンいじいじ。午後に河川敷に行ってデナリを眺めた。ここにくる70%の人は天候によって、デナリを綺麗に見ることができないと言われていたが、今日は綺麗に見えた。非常にラッキーである。
またマークの妻、ローラは私がステイしている同じ建物で働いているので、しばらくチャットした。本当に優しい方で、食料にとジャガイモ分けてくれたり、キャンプサイトの情報を教えてくれた。してもらいっぱなしで申し訳なく、何かできることはないかと尋ねるも、彼女はこう返した。
「昔、フロリダからアリゾナまでロードトリップしていた時に、何もないところで車が壊れてどうしよも無くなったことがあったの。でも通りかかった人が修理して助けてくれて、何かお礼をしようとしたら、『何もいらない』と言われたわ。そして彼は『他に困ってる人がいたらその人を助けてあげて。それで十分だ』と行って去っていったの。だから今私は他の人を助けているのよ。あなたも次の人のために何かしてあげてね」
なんて素敵な人なんだろうと素直にそう感じた。人の温かみに触れることで、一人旅だけど一人ではないんだなと感じた。また誰か困っていたら助けてあげようと心から思った。
明日の朝はここにいないからと、最後にハグをして別れを告げた。
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