危険な食生活

アメリカ

食料〈 水〈 ビール

8/24 Jackson〜Mill Canyon Campground (走行距離:122.3km)

 6時半頃にブラントが起床し、それと同時に私も起きた。ブラントは今日はナショナルパークに友達とハイキングと釣りをしに行くらしい。ナショナルパーク近くに住んでるからこそできる遊びだ。本当に羨ましい限り。。朝食とコーヒーをご馳走になり、8時前に別れを告げて家を出発した。

ポテトと玉ねぎの炒め物と目玉焼き
別れ際に一緒に撮影。

 道は平坦か、少ーしだけ下り坂が続いていたため、あっという間に50kmほど進み、アルパインという街に着いた。しかし途中でよそ見をしていたら脱輪し、軽く転倒。せっかくミゾーラのアドベンチャーサイクリングアソシエーションで交換したパニアバッグのパーツがまた壊れてしまった。残念。。とりあえず街のスーパーで昼食用のオカズを購入し、持ってるパンと一緒に食べた。この先は明日までスーパーのある場所に着かないため、ついでに今晩と明日の分の食料を補給。

綺麗な景色。少し紅葉が始まっているポイントもあった。

 しばらく平らな道が続いたあと、山道に入った。そこまで傾斜はキツくないが、またしても向かい風。幸い、昨日休養日にしたこともあって、疲れも溜まっておらずそこまで辛くはなかった。

ワイオミング州からアイダホ州へ入り、更にはナショナルフォレフトへ。

 途中グラベルロードで近道コースと、舗装路で遠回りの2択が現れる。舗装路の方が好ましいが、ちょうどグラベルロード上に良い距離感でキャンプグランドがある。グラベルもそこまで質が悪くなさそうだったため、グラベルを選択した。この道では車が全く通らず、ずっと1人で走行していた。思いのほか乾燥し、暑いため水をガンガン飲んでいたら、今晩のキャンプと、明日分の水が足りるか際どくなってきた。民家もないし、車も通らないし、なるべく水は節約しながら進むしかない。。

なーんもなし!

 グラベルに入ってから30キロほど進むとようやく車と人が数人見つかった。ちょうど車を止めて立ち話をしているようだったので話しかけてみると、いきなり「ビールいるかー?」と返事が返ってきた。

 『これはラッキー!』喉乾いてたし、遠慮なくもらった。さらにスナックやらユタで有名な桃ももらった。彼らはちょうど近くの川で釣りをするみたいだ。キャンプグランドももうすぐのところにある事を聞いたので安心。しばらく立ち話をしたあと、「夜用にもう一本やるよ」とビールをさらに頂き、お別れした。

気さくなおじさま達。ありがとうございます。

 彼らの言っていた通り、すぐにキャンプグランドも発見したため、そこに入った。

ポツンと小さなキャンプグランドが出てきた。

 他にキャンプしている人もほとんどいない。もらったビールを一気飲みし、しばらくベンチで居眠りした。少し寒くなって目覚め、テントを設置。また、幸い近くに綺麗な川があったため、そこで水を汲んで煮沸して使用。なんとか明日着く街までは持ちそうだ。

おじさま達にもらったビールとスナックで一休み
ビールで膨れていたので夜飯もこれだけ笑
一応出汁と醤油で味付けはしてあるw

 暗くなってから寝る支度をしようとしていたら隣のキャンプサイトに車が一台入ってきた。すでにテントは設置されていたからどこかに出かけた帰りなのだろう。すると男が中から出てきて、こちらに向かってきた。

 「やぁ。調子はどお?ビール飲む?」と片手にビールを持ってきた。マイケルと名乗る彼も釣り人で日中はこの辺の川で釣りをしていたらしい。またしても立ち話しながらビールを飲み干したアメリカはカナダと違ってどこかしらに人はいるし、物資を補給できる場所が多くあるため、少し忘れかけていたが、水を常に確保しておくことが非常に重要だと再認識する一日だった。ただ、それ以上にビールは重要なのかもしれないとも思ったり思わなかったり。。笑

キャンプ場の中。
メンテナンスされてなくて雑草ぼうぼうだけど、
寝場所確保できるって素晴らしいことなのよね。

8/25 Mill Canyon Campground〜Grace (走行距離:76.3km)

 リスの鳴き声と朝日で目覚める。昨日キャンプサイトを選ぶ時に朝日が差しそうな場所を予想してテントを張り、見事的中していた。今朝は目玉焼きとブロッコリー茹でたものとピーナッツバターサンドで朝食だ。割とゆっくりしてから出発。

いや、本当に何もないけど、川があってよかった。

 しばらくグラベルを走行していると久々に舗装路が出てきた。舗装路に入った瞬間スピードがグンと上がる。『あー、走りやすい』その後、分かれ道が現れたが、調べた通りの道を走行していると、『炭鉱採掘中注意』の看板が出てくる。舗装路に出ても全く車は通らないし、ちょっと不安だったがいち早く街に着いて水を補給したかったため、構わず進行。しかし10キロ弱走ったところで大きな採掘場が現れ、トラックの運ちゃんが「ここは通れないぞー」と一言。『あちゃー、また戻らなきゃ』と思ったが、運ちゃんが「自転車で戻るの手間だろうから車に乗せて戻ってやるよ」と言ってくれた。お言葉に甘えて自転車を荷台に積み、来た道を戻った。

随分大きな採掘場。どでかいトラックが必死に働いている。

 先ほど通過した分かれ道まで送ってもらい、もう一方の道を進み出す。するとメインストリートに合流。ここから次の街まで約20キロだ。お昼前には無事に街に着き、水を確保できた。

剥製まみれのスーパー。ムースやカリブーが並ぶ。
チキンと牛乳、りんごを買って近くの公園でピクニックをした。

 携帯の電波もあったので、道のりや天気を調べようとすると、午後からやたらと風が強くなる予報だ。しかも向かい風。この街にある公園は随分と綺麗だし、屋根のついたテーブル席もある。あまり進んでなかったが、『ここに今晩野宿するのもありだなー』、と考えているうちに居眠りしてしまった。気づいたら3時。風もビュービュー吹いている。しかし明日明後日のスケジュールを考えて、結局もう少しだけ先に進むことにした。西に進むのに、ひどい西風。向かい風と格闘しながらゆっくり進み、途中のジャンクションで南方向に進路変更。今度は真横から風が吹き付ける。バッタが風に流されてみんな横に流されていく。なんとかグレースと言う小さな街に到着し、野宿する場所を探しているとここにもいい感じの公園があるではないか!

公園内のトイレとビーチバレーコートの間にテント設営。

 ガソリンスタンドでモカを飲み、一息ついたところで先ほど発見した公園に移動。トイレも完備しているため、ここでシャワーがてらシャンプーして、体も洗った。最高にサッパリ。これであと数日シャワーなしでもいけるね笑 (完全にホームレス化してるよね)

公園にテントを張り、ベンチから夕日を眺める。
夕食は最近ハマってる親なしの親子丼とプロテイン入りのシリアル。

ユタ州突入!

8/26 Grace〜Smithfield (走行距離:105.2km)

 昨日は天気も良かったため、テントにフライシートを付けずに寝ていた。まだ日が昇る前に一度目が覚めたが、テントのメッシュ部分越しに満点の星が広がっていた。(街中でのキャンプでも、小さな街だと周辺が暗いため綺麗に星が見えるのだ。)

 大分南下したこともあり、外気もそこまで寒くなかったため、明るくなってからは、一番辛い『寝袋から出る』という動作も難なく出来た。昨日休憩したコンビニエンスストアで朝食を食べ、一息したところで出発。今日も天気が良く、朝のうちは涼しくて走りやすい。

最近Breakfastブリトーにはまっている。しかも安い。

 相変わらず牧場と麦、芋畑が広がるつまらない景色だが、今日はいよいよユタ州に入る日だ。ユタのソルトレイクシティに留学していたこともあり、ユタ州には沢山の友達がいる。自転車旅は少しここでストップして、しばらく友達の場所で休憩するつもりだ。テントでなく、屋根の下でしばし生活でき、そして何より友達に会えると思うと退屈な道も何てことはなかった。新しい環境で、新しい人々に会うことほど楽しいことはないが、たまには気を許せる友とゆっくり過ごしたいとも思うのだ。

今日も全面麦畑か、芋だらけ。
ユタ州に留学していた時は都市部にしかいなかったため、
こんなに田舎だとは感じなかった。

 早めに出発したこともあり、午前中のうちにアイダホ州からユタ州に入り、今日の目的地のスミスフィールドに午後過ぎに到着した。本当はもう少し遠くに行ける余裕はあったのだが、今日はユタにいる友達のうちの1人、マイアのおじいちゃんおばあちゃん宅に泊まらせてもらう予定。このスミスフィールドに彼らの家があるのだ。

 少し早く着きすぎてしまったため、昼食をとって街中を軽くサイクリング。スーパーに行った際に珍しくポップコーン専用のコーナーを発見し、大好きなキャラメルポップコーンを見つけたため、ついつい購入してしまった。一袋で1,500 kcalのそれを、図書館のベンチで一気食い。アメリカはなんでも大きいが、食べ物も単位ごとの量がとてつもない上、不健康なものが多い。食べながら日々の食事を思い返していると一食3,000 kcal以上摂取していることが多々ある。一日に換算するともはや10,000 kcal近く。。。(一般男性の一日摂取カロリーの4倍くらいはとっていることになる。)運動しているとはいえ、旅の始めと比べると随分肉がついた。アメリカのジャンキーな食べ物ほど危険なものはない。アメリカ人が太りすぎて、年をとった時に電動車椅子で生活するのも納得だ。今日から頑張ってダイエットしよう!

ユタと言えば、スキー。冬に来たかった。

 夕方頃にマイアのおじいちゃんおばあちゃん宅に向かうと笑顔で迎え入れてくれた。突然の訪問であったのにも関わらずありがたい。家に入るなりシャワーを浴びて、洗濯ものをし、そのまま2時間も話しこんでしまった。

 「これは子供達の写真で、こっちは孫たちの写真」家族の話をしながら、友達の幼い頃の写真を見せてもらう。マイアはお父さんがアメリカ人、お母さんが日本人で、妹のキアナと4人でアメリカに暮らしている。留学時代には本当にお世話になったものだ。「そう言えば、今日はマイアは夜仕事があるけど、他の3人はここに来てくれるから夜ご飯に一緒に行くわよ」とおばあちゃんから話があった。わざわざ私に会いに車で1時間かけてここまで来てくれるようだ。夜7時過ぎに、彼らが家に到着。久々に感動の再会を果たし、家の近くのレストランに向かった。先ほどダイエットすると誓ったばかりだったが、素晴らしいメニューを前に食制限などできるわけもなく、またしてもとんでもない量の食べ物を胃に詰め込むのであった。

久々の再会に感動。そしてご飯の美味しさに感動。
ご馳走様でした。本当に感謝です。

 

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