『パン・ピーナッツバターコンビ』は最強説

アラスカ

節約生活

6/9 Fairbanks〜Nearby North Pole (走行距離:51.55km)

 本当は早めに起きて朝一に出発する予定だったが、昨日遅かったこともあり、二度寝。それでも頑張って6時頃に起きて準備スタート。キッチンで朝食を作っていると、宿に泊まっているタンガイというイケメンマッチョなNice guyがリビングに現れた。私は「昨日は大変だったね」と話しかけた。

キッチンが使えるのは本当に便利。
ベーグルにパンを5切れ食べたが足りなくて話しながら更にパン食べてしまった。
トースターあるといいね。

というのも、私が昨晩深夜頃に、洗濯物を片付けていると、彼のいる部屋からうめき声が。タンガイのルームメイトであるカーミー(黒人男子学生)が酒の飲み過ぎで部屋で吐いたのだ。他のルームメイトもこれには参っていたが、タンガイは彼を部屋の外に出し、水を飲ませ、ちゃかちゃかっと部屋を掃除していたのだ。

しかし彼は「そんなことないよ」と笑顔でさらっと答えた。朝食を食べながら話していると、彼はイングランド出身の19歳。昨日の対応からして19歳には見えなかったが、現在アラスカで森林火災消防隊に所属しているのだとか。道理で対応に慣れているわけだ。だが私のことも聞いてきたので『旅』の話をすると、そこはやはり19歳の男子。キラキラした目で私の話を聞き、次々に質問をしてくるのだった。

 結局、話し込んでしまって出発のタイミングを失ったのと、ブログもまだ書き終えてなかったので、昼くらいまでホステルに残って作業を続けた。ようやくブログも書き終え、準備も整った頃、パンパンに浮腫んだ顔してカーミーが起きてきた。そして一言、

「レモネードとウォッカは一緒に飲まない方がいい」と。笑

 名残惜しいが、このまま長く滞在していると更に長く居ついてしまいそうな気がしたため、みんなに挨拶して宿を去った。

なぜかFairbanks(といかアラスカ全体?)はタイ料理屋が多い。
試しに宿のオススメのレストランへ。やっぱアジアン料理いいよね。

 フェアバンクスから約20キロ地点にノースポール(North Pole)という街がある。出発も遅めだったし、軽くテイクアウトでご飯を買って、更に進もうと思っていた矢先、携帯会社のAT&T社が。プリペイドの契約もそろそろ切れる頃だし、スーパーに売っているプリペイドだとインターナショナルにネットを使うのは難しいということは聞いていたため、話だけでも聞いてみようと入ってみた。(プリペイドは国境越えてメッセージだけ送れるとか、電話だけできる等のプランはあるのだが、ネットは中々ね。。)

私が欲しいプランはカナダに入国してもすぐにネットが使えるプラン。アメリカはAT&T社含め、Verizon社やT-Mobile社が携帯会社の有名どころだが、アラスカはAT&Tが一番繋がることを知っていた(というか他の会社は繋がりにくい)。事情を話すと私のケースに合わせて色々調べて教えてくれた。カナダに入ってからは店のWi-Fi使うか、別のSIMカードを買っても良かったのだが、国境越えてからしばらくは小さな街しかないし、アラスカより中継スポットが減ることも事前調査済みだった。カナダの通信会社のプラン等も考慮し、結果的にAT&T社のプランに3ヶ月分だけ入ることにした。(どうせカナダ抜けたらアメリカでまた使えるし)

 AT&T社がカバーする電波網。
カナダはスカスカに見えるが、ルート的に全く使えなくなるわけでもなさそう。
しかもメキシコもほとんどネット環境を網羅していた。

 ネット関連についてはこれで一安心。ネットを使わない旅も旅らしくて『あり』なのだが、旅の発信もしたいし、連絡が途絶えるのは家族も心配するし。結局は現代っ子なんだなと思いながら、今日の野宿場所を探すのであった。

小道を見つけて入っていくと、テントサイズの台座が!
奥は沼で蚊もいたがテントに入れば全く気にならない。

6/10 Nearby North Pole〜Delta Junction (走行距離:107.88km)

 良い天気だ。気持ちよく起き、早速今日もサイクリングスタート。昼近くになると、ここはアラスカか?と思うくらい暑くなった。途中綺麗な湖の横に休憩スポットがあったので、そこで小休憩。フェアバンクスで大量に買い込んだエナジーバーと食パン・ピーナッツバターを食べる。最初はかさばるしパンはあまり持ちたくなかったのだが、この『食パン・ピーナッツバターコンビ』が最強である。パンは見映えは悪くなるが潰せばバッグに入る(最近は卵のクッションともなっている)し、ピーナッツバターはプロテインも取れる。更にコスパが良い。そして何と言っても調理しなくていいため、朝食や昼食、間食するのに一番楽なのだ。

バーチ・レイク(Birch Lake)というのんびりした場所を空撮してみた。
湖ではバナナボート的なものをやってる人も。

 今日の目的地デルタジャンクションに到着すると、そこそこのスーパーがあった。お惣菜コーナーに美味そうな飯が並んでいるが、調理して節約すべきか。。最近いつでも腹ペコで、ご飯が待ち遠しいのだが、現在16時30分。とりあえずここは我慢しようと思い、街中をふらついてから、スーパーに買い出しに戻ると、先程のお惣菜コーナーで売れ残った商品のセールをやっていた。これはもう運命だと感じ、すぐに購入。特大のビールも購入して大満足な晩飯だった。節約してんだかしてないんだか。。

一難去ってまた一難

6/11 Delta Junction〜Moon Lake State Recreation Site (走行距離:149.43km)

 デルタジャンクションから次の街のトック(Tok)までは171キロ。これは1日だとかなりきついが、2日かけて行くなら1日あたりのライドは楽勝な距離。食料豊富なスーパーから去りたくないな〜とフラフラしていたらあっという間に11時過ぎに。食料宝庫を背にようやく出発。

Tokまで108mile
カナダ国境まで201mile

すると昨日までの道のりと違って車が少ないし、道も真っ平。まっすぐ一本に伸びる道の奥には、点でたまに見えてくる対向車のみ。サクサクと進んでいるとあっという間に100km地点に。これはもしかすると今日中にトックに着くのではと思い始め、野宿場所を探さずに一気に突き進む。しかし途中軽い雨にも打たれ、130km地点からは急にエネルギー切れ。足もパンパンになっていた。食料を大量に買い込んでいたし、荷物もいつも以上に重い。これはやはりダメなのか、、、

そんな時、キャンプは禁止だが休憩スポットを発見!とりあえず夕飯食おうと思って、大量に米を炊き、じゃが芋と芽キャベツの煮物作成。デザートにエナジーバーと『食パン・ピーナッツバターコンビ』を食べる。疲労困憊だが、もう少し行けそうだ。現在8:50pm。街までは2時間半。野宿するにしてもスポットを探さないと行けないし、街方向に向かって進み始めた。アラスカに来た当初は熊を異常に恐れていたが、彼らは警戒心が強く、音を出していれば人の近くには来ない。実際、国立公園内でも点で見える距離でしか熊を見ていないし、道路付近に野宿すれば平気だろと思っていた。

でもいざ、道路横の川を眺めると、熊の足跡らしきものが。。。更に道路には熊の糞らしきものが。。。

これはやっぱ街までいかんと、と自分を奮い立たせ漕ぐこと1時間。奇跡的にキャンプ場を発見。他の人もいるし安心と思いすぐにキャンプ場に入った。

今日はよく漕いだ。ようやく横になれる思うも、一難去ってまた一難。テントを広げるとテントの骨組みが壊れてるではないか。あんなにいいやつ買ったのにどうしてくれるねんと思いながらも、ギリギリ自立してくれたので身をかがめながら中に入る。次の大きな街まで1週間はかかる。テントどうしようかな、と心配しつつすぐに寝てしまった。

骨組みの連結部分が陥没。
写真は自立しているが、バランス崩すと倒れてしまう。

6/12 Moon Lake State Recreation Site〜Tok (走行距離:32.92km)

 早朝すぐにテントを片付けた。テントが壊れた関係でフライシートをかけないで寝ており、雨に降られるとずぶ濡れになってしまうのが不安だったのだ。幸いその時は降らなかったがいつもの『コンビ』を食べていると雨が降ってきた。

やはり足はパンパンであったが今日はもう少しでトックに着く。到着する頃にはいい天気になっていた。ビジターセンターでテントを直せそうな店を聞いて街の小さなスポーツショップへ。最悪テープでぐるぐる巻きにしようと考えていたが、ショップ店員が連結部分に金属の筒をかぶせ、見事に応急処置してくれた。次の大きな街で純正品修理を行うまではこれでなんとか持ちそうだ。

色々試して見事に直してくれた。
お代を聞くと、「いいよ、なんてことないよ」とさらっと答えた。

このショップ店員もそうだが、ものつくりや修理が得意な人がアラスカには多い気がした。ドロドロの人や、油まみれな人をよく目にするが、なんでも自分で直さないとやっていけないくらいアラスカは広大で自然の力が強いのだろう。

今日はきちんとしたテントサイトに入って久々のシャワー。カナダ前の最後の街だし明日もう一泊して休息してから出発しよう。そして最後のアラスカを楽しもう。

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